映画感想『ミスト』
誰が興味あるのか分からないけど、このブログを始めるきっかけを綴ると、以下の通りになる。
ミストの感想を共有したかった!以上。
というのと、COVID-19で外に出ることもなく、すごい勢いで作品を消費していき、なお時間に余りがありそうなので、こうしてアウトプットしていこうと思ったからです。
一応、Wikipediaの受け売り*1以上のものは出ないけど、ミストの作品紹介をしていこうと思う。
原作はスティーブン・キングで『霧』という短編ホラーで、 基本的には原作準拠のストーリーみたいです。(ラストは違うらしいけど)
監督はフランク・ダラボン。監督としては『ショーシャンクの空に』、『グリーンマイル』とスティーブン・キング作品ばかり映像化している人。『グリーンマイル』ははるか昔に観たかなくらいですが、予告編とかから雰囲気は共通しているものはありそう。
役者はあまり興味ないのでスキップ。
この映画は出来そのものよりも、とある特徴からネット掲示板とかでめっちゃ有名というのが個人的な印象で、この映画を見たかった最大の理由になります。
ホラーもグロもあまり得意ではなく、ホラゲは意欲が指数関数的に減退していくので、できない身ではあるが*2、映画は自分の意思に関係なく自動で進んでいくので観ることはできる(家ならシーン飛ばせるしね)というのもあり、この作品でたまのホラー成分を摂取しました。
いるのか知らないけど、この映画を未見の人に言いたいことは、↑のリンクから本編観てから感想を見てほしいということです。
というわけで、本題、この映画の感想を述べます。
あ、ちなみにネタバレ注意です。
この映画を語るうえで外せないのはやはり、ラスト。ここが原作との相違点であり、最高の余韻をもたらすシーン。
演出だったり映画撮影論みたいなのに詳しいわけではないけど、最終盤、音を消して外から撮るシーンが続いていく中で、主人公の絶叫とともにネタバレ(?)、大音量のアジアンテイストなテーマとともにエンドロールというのは素晴らしいものがあったと思う。
ということで、この映画を評するのに避けて通れない文言は「胸糞エンド」という言葉。
何が「胸糞」かというのは人それぞれで、個人的には『SE7EN』の方がよっぽど後味最悪だったし「胸糞」だっと思う。『ミスト』の後味が悪いかというとそうでもなかったけども。でも、静かにずしりと来る感じは非常によかった。絶望に生きる(いや生きていけるのか?というレベルの絶望だけれども)という意味では両者は共通なんだろうけど、『ミスト』の方が状況的にストレート純度100%という気がする。
という観後感もあり、この映画を見てからというもの、1週間くらいは主人公の運命というものを考えてしまったし、何が最善策だったのかというのに思いを馳せてしまっていた。
論じる人によっては主人公は全部裏目った(最初に母親を助ければよかった・黒人弁護士を行かせてはならなかった・薬局に行ってはいけなかった・黙って宗教家おばさんに従っておけばよかったetc)という意見もあるけど、まぁ全部結果論ですね。
主人公は十分頑張ったし、主人公たるにたりる存在だったと思う。勇敢で正義感があり、薬局行く以外は概ね「正しい」選択をしたんじゃないかな。
結果論で最後の選択はミスってしまったけど。
ホラーという要素で考えると、やっぱり見えないことというのは大事で、大体の作品は夜の闇を使って見えなくするんだけど、そこで霧を持ってくるのは面白い。映像的には白い霧なので、全体的に明るく、見通せそうで見通せないというは目を凝らしてしまって注視してしまうという効果もあったと思う。あとはでかいクリーチャーがぬぼっと出てくる感じも夜じゃ表現できないよね。
最初のサイレンも恐怖を掻き立てるのに十分。ちなみに、原作の『霧』をモチーフにして『サイレントヒル』シリーズは作られたらしいです。ホラー+サイレンでいうと『SIREN』を思い出してしまうけども。
ついでにクリーチャーの話をすると、デザインはめっちゃよかったけど、映像としては作り物感は否めなかった。2007年の映画と知ればなおさら。十分恐怖感はあったけど。
霧がないという意味で一見安全に見える屋内も、人間関係を原因にして安全地帯ではなくなるというのはこの作品の狙いだったのだと思う。ただ逃げ回るだけや霧を押しとどめておくだけでは面白くないし、連鎖して別の恐怖が立ち上がるというのは本来のモチーフなんでしょうね。
このほどよい人間関係の「ギスバチ」感も群像劇好きマンにとっては良い印象でした。都会vs田舎とか科学vs宗教とか、アメリカの日常観も垣間見えるのがよい。
『ミスト』を手に取った理由はいくつかあるけど、スティーブン・キングの映像化作品が結構好きというのもある。(網羅はしてないけどね)スティーブン・キング映画の良さみたいなのは人によっていろいろあると思うけど、ハリウッドにありがちなLAとかNYとかで華やかにみたいなのではなく、ほどよく田舎とかが舞台というのもあるのかもしれない。『スタンドバイミー』は言うまでもなく、『シャイニング』なんかもそうだよね。各種リメイクは置いておいて、そのうち『キャリー』も観たいです。
他に個人的におおっと思ったところは、軍人がいるんだけど、完全に無気力なところ。彼らは誰よりも状況を理解していて、なおかつ誰よりも絶望しているところに説得力をかなり持たせていると思う。最後は米軍バンザイなんですが。
あと印象的なのが、奥さんが家でクモにぐるぐる巻きにされて、めっちゃ綺麗に見えるところ。*3
総評としては、一発最後の展開に持っていくために最高の準備をした映画という感じだけども、人間模様を軸に恐怖を演出するところも十分楽しめるし、良作といったところですかね。
というわけで、『ミスト』の取り留めない感想でした。深夜テンションで書いてるから、本当にまとまりはないけど、半年前の記憶としてはこれで十分でしょう。普通に見応えあるからぜひ、見ようね!